日本一周ツーリング前編
※この日本一周ツーリングは前編と後編に分かれています。
  見たいほうをクリックしてください。こちらは前編です。
  前編 後編

○ 日本一周を決めたわけ ○
 大学2年の夏に親友と二人で北海道一周ツーリングをしたことで、見知らぬ町へ行く不安も楽しみに変わり、またどんなところでも寝られることに自信がついた(野宿)ことから、大学3年の夏、今度は一人で日本一周をしようと考え、バイクを250ccのオフロードから400ccのロードバイクに買い換え、1986年8月6日横浜を出発。19日間をかけて、無事日本一周を果たすことができました。

 昨年の北海道一周ツーリングでは、毎日の行程・走行距離・宿泊地を綿密に設定・計画し、ほぼ予定通りのツーリングをしましたが、今回は、当日の目的地(宿泊地)はおろか全行程の日数も決めず、風の向くまま、気の向くままに走ることをテーマに一人、日本を一周する事だけを考えてツーリングに出たのでした。

8月6日
 横浜の自宅を出発、静岡、名古屋、鈴鹿、京都、奈良、兵庫、広島と、太平洋側を走り、下関から関門橋を渡り九州入り。九州では、やまなみハイウェー、阿蘇登山道路、草千里、宮崎県延岡、都城、鹿児島、桜島をメインに走り抜け、両親の実家のある佐賀県に入る。この「前編」の最後は、佐世保の先の松浦と平戸を結ぶ平戸大橋バックに撮った写真です。

 この旅行の為に購入した新車のバイク(GPZ400R Ninjia)にテントと寝袋、カメラや洋服一式を積み、基本的には各地の海沿いを走る主要国道をたどりながら、行き当たりばったりで宿泊地を決めながらのお気楽ツーリング。好天に恵まれ、名所や、のどかな田園風景、各地方都市の違いを楽しみながらの旅路は、出発から何日経過したのか、今日が何日なのかをすっかり忘てしまうほど心を穏やかにしてくれました。

 しかし、夜中に突然、就寝中のテントを野犬に襲われたり、九州上陸直後にひどい頭痛に悩まされ3時間も立ち往生したり、鹿児島では桜島の火山灰に足を滑らせ、交差点のど真ん中で”バイクごと横転寸前”といったハプニングもありました。この「前編」は、出発から日本一周約3分の1の行程をご覧頂きます。

 
[基本データ]
全走行距離
所要日数
旅行費用
使用バイク
9,833km (高速道路使用はほとんどなし。)
19日間 (ホテル2回、親戚宅泊1回、あとは全てテントで野宿。)
25万円 (食費・ガソリン代含む。) 
KAWASAKI GPZ400R NINJIA

日本一周旅行 [前編] 1986年8月6日〜8月12日
出発当日

豊橋市

石舞台
●奈良の石舞台近くの民家にて
ボンネットバスの通る石舞台の県道脇にのどかな風景があったので、バイクを止めた。高いビルもなく、虫の羽音だけが聞こえる静かなところだった。

野宿1

掛川バイパス
●旅行当日の朝。「無事に帰ってこれるのだろうか」と、不安な気持ちで緊張していました。昨年の北海道ツーリングの様なすばらしい出会いがあることを祈りつつ出発。

鈴鹿サーキット
●旅行最初の宿泊はやはり野宿。
鈴鹿サーキットで知り合ったライダー達と一緒に、売店の軒下で寝袋のみで寝ることになりました。

奈良
●奈良の土手で一休み。
奈良の親戚の家に寄った後、今日の宿泊予定地を考えてごろ寝しているところ。この日の夜あんなことがあるなんて知るよしもなかった。

●姫路で初めての一人野宿で大事件が。
この旅行で初めての一人野宿をした姫路市内のお寺。22時頃テントを広げ、ようやく就寝しようとした時事件は起こった。
荒い鼻息と共に近づいてくるのはなんと野犬。テンとのすぐそばまで来たと思ったらいきなりテントの下の方を噛みつき、暴れ始めたのだ。その行動は次第にエスカレートし身の危険を感じた僕は、テント内にあった懐中電灯で野犬の頭をテント越しに”ガツン!”と一発。野犬は逃げ、事なきを得ましたが、この後恐怖でなかなか眠ることは出来ませんでした。

白い砂の校庭 ●真っ白の校庭はうらやましかった。
日本一周早々からたくさんの人たちとの出会いが続き、ここの広島の寺西小学校では、ちょっとした先生気分。夏休みの補習で来ていた小学生たちと仲良くなり、白い砂の印象的な校庭で、午後1時から夕方まで、鬼ごっこをしたりドッヂポールをしたり横浜の話をしたりと、時間を忘れて子供たちと思いっきり遊びました。
純粋で人なつっこい子供たちの笑顔は、旅の疲れを一気に吹き飛ばしてくれただけでなく、人と接するための素直な心を思い出させてくれました。
広島寺西小学校
関門橋
九州上陸
●関門橋を渡って九州上陸!しかし…
下関から関門橋を渡って九州上陸を果たした直後、激しい頭痛に襲われ最初に見つけた小学校で、完全にダウンしてしまった。頭痛薬を飲んで2時間くらいした頃、学校の先生にが声をかけられ、職員室でお茶を頂くことに。このあと、1時間くらい旅行の話をしながら楽しい時間を過ごすことが出来、体調もしっかり持ち直すことが出来た…先生に感謝!
やまなみハイウェー
●阿蘇山に向かい、やまなみハイウェーを走る
牧草地を抜け、爽快な景色の中を走るやまなみハイウェー。広大な景色は何とも心穏やかにさせてくれます。
草千里
カウルの中から
●ワインディング走行を自ら撮影
やまなみハイウェーのワインディングを撮影するためにバイクのタンクバックの上に一眼レフを載せ、セルフタイマーを利用して撮りました。60km/h位です。
桜島
西鹿児島
●灰は恐ろしい。
西鹿児島の駅前まで来ると桜島の灰が道路の至る所に溜まっているのがはっきり分かるようになります。
交差点の中央に溜まった灰のせいで、右折の際にズルッっとコケそうになることが何度か有り、足をバタつかせながらフラフラ走ったことを覚えています。しかし、この辺りの人は、ほぼ毎日こうした環境の中で生活しているのかと思うと、大変だなぁと実感しました。
父方本家
●佐賀にある父方の本家
前の父方の本家(青果店)にご挨拶に伺う。写真右に黄色の公衆電話が写っていて、時代を感じさせますね。。。
このあと、お店はリニューアルされました。
九州佐賀
●母方の実家のある佐賀に到着
母方の実家がある佐賀の家に到着。奈良の親戚も来ており、夜はここまでの旅の話で遅くまで話し込みました。
平戸大橋
●今回の旅行の最西端はここ平戸
平戸大橋をバックに記念撮影。日本一周旅行の最西端と決めたのはここ平戸。これから日本の最北端に向かうことを考えると、この旅がとてつもなく長い旅であることを感じざるを得ない瞬間でありました。

※この日本一周ツーリングは前編と後編に分かれています。
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